SSブログ

ジャン・コクトーの世界 [アート]


物持ちの良さは、自分でも驚いてしまうのですが…(ただモノが捨てられないだけかもしれません)

年末に大掃除をしていたら(実は、中途で断念したので、「小」掃除となりました)
昔のカレンダーが、出てくる、出てくる、出てくる…(fade out)

…というわけで、6年分の使用済みカレンダーが発見されたコクトーです

で、これを

ジャン・コクトーの世界展
Le Monde de Jean Cocteau
1995年7月29日→9月17日 Bunkamura ザ・ミュージアム

ジャン・コクトーとはいったい何者だろう。詩人、小説家、評論家、戯曲家、脚本家、バレエ制作者、オペラ制作者、映画制作者、監督、俳優、画家、舞台装置家、さては魔術師、軽業師とまでいわれたが…

残念ながら、チラシは出てこなかったので、ポスターの包装紙で我慢してください

あまりに多才な故に“20の頭を持つ男”とやっかみ半分で呼ばれるジャン・コクトー
18歳で詩の朗読会を催し、文壇へ華々しくデビューしたこのパリっ子(1989年パリ郊外のメゾン・ラフィット生まれ)は、ディアギレフ率いるロシア・バレエ団と仕事をしたり、「6人組」を結成して独自の音楽活動を展開したり…あふれる才能は留まるところを知りません
映画「美女と野獣」、「オルフェ」などでは脚本、監督を務め、ピカソ、モディリアニらとも親交が深く、1920年以降のパリの文化の糸をたぐれば必ずコクトーに辿り着くとまで言われるほど
アカデミー・フランセーズ会員、カンヌ映画祭委員長、オックスフォード大学名誉博士など、1963年に74歳で息を引き取るまで、半世紀にわたって創作活動を続けます

カタログ

サイズが大きいので、スキャンエリアからはみ出してしまいました
(絵は「『鳥刺しジャンの神秘』扉絵」)

時間という、鳴りの狂った時計をば欺いてやる目的で
二十種も詩風を変えて歌ってきた。
このやり方で避けてきた、称賛も、
さては高貴な酷評も。
                 ジャン・コクトー「平調曲」より

ポスト・カード各種

「パウル・クレーのオマージュ」は、ポスターも飾ってあります

詩人の言葉が偽りならば、絵はまたさらに偽りだろう。紙の上にまるい線を書けば、それは月だという、リンゴだという、罪だという。これが偽りでなくて何だろう。


(左)「オルフェの肖像」 白いフレームに
(右)黒い宝石箱 (天蓋の絵は「2つの天子の顔」、タグの絵は「オルフェ Ⅲ」)

こんなのも出てきました
SN3D0017.JPG
切手シート カンヴァス風写真立て ガラスのフレームに

「ラ・バンド・コクトー」
“20面相”コクトーは、社交性も抜群で友人との付き合いが大好き、電話でおしゃべりをし、パーティには欠かさず出席、カメラに向かってポーズを取りまくった。自分がいないところで何か面白いことがあったり、自分の知らない天才がいたりすることに耐えられないのだった。
電話魔、写真マニア、人材(才能)コレクターであった彼の交友リストを完成させるのは難作業なので、彼が自ら肖像画を描いている人だけでも挙げておくと…
エドゥアール・ド・マックス(俳優、「聖なる怪物」の一人)、マドレーヌ・カルリエ(女優、小説の登場人物のモデルにもなる)、アンドレ・サルモン(作家)、ピカソ(画家)、パウル・クレー(画家)、マックス・ジャコブ(詩人)、アポリネール(詩人、「シュル=レアリスム」という言葉はこの人の発案)、ポール・エリュアール(詩人)、ラディゲ(作家)、ジャン・デボルト(作家)、ジャン・マレー(俳優)、ジョゼフィン・ベイカー(ダンサー)、クリスティアン・ベラール(画家)、ジャン・ジュネ(作家)、コレット(作家)、ディアギレフ(ロシア・バレエ団主催者)、ニジンスキー(ダンサー)、アンナ・パヴロヴァ(バレリーナ)、レオニード・マシーン(ダンサー兼振付師)、エリック・サティ(作曲家)、ココ・シャネル(デザイナー)、アルトゥール・ルービンスタイン(ピアニスト)、そして、「6人組」…

同時期に、ジャン・コクトー映画祭も開催されてました(渋谷・ユーロスペース1)

LDで、「詩人の血」と「オルフェの遺言」

東京創元社の「ジャン・コクトー全集」全8巻(トリコロール・カラーの装丁が眩しかった…)、叶うことならこれを揃えたかったのですが…やはり、高嶺の花でした 

恐るべき子供たち 岩波文庫
怖るべき子供たち 角川文庫
怖るべき子供たち 角川文庫クラシックス
山師トマ 角川文庫 リバイバル・コレクション
阿片 ―或る解毒治療の日記― 角川文庫 リバイバル・コレクション
ポトマック 澁澤龍彦コレクション 河出文庫
大胯びらき 福武文庫
コクトー双書 美女と野獣 創元ライブラリ
コクトー詩集 新潮文庫
「ポトマック」と「大胯びらき」は、澁澤龍彦翻訳です

華々しい活躍をした人だけに、敵が多かったのも事実
で、最大の天敵として、コクトーと死闘を繰り返すのが、シュルレアリストたち、中でもアンドレ・ブルトンでした
ブルトンが忌み嫌ったのは、コクトーの「無思想性」、「浮かれ王子」ぶり、そして、「同性愛」だったようですが…
今となっては、いずれも否定的な意味合を失っており、ブルトンの「硬直さ」だけがやけに目立ちます


コクトー詩画集 ぼくの天使

私の耳は貝の殻
海の響きをなつかしむ
コクトーの本質は、やはり「詩人」ですが、もしかして(日本で)一番有名な詩は、これ?

今日の1曲
Kookaburra 「クーカブラ」/Cocteau Twins
唯一無二のバンドです、ホントに
http://www.youtube.com/watch?v=ukqv4u0hN54


ララバイズ・トゥ・ヴァイオレイン:
1982-1990 VOL.1
1993-1996 VOL.2
昔の記事で、ベスト盤さえ廃盤なのはけしからんって文句つけたら、今頃になってやっと出してくれました
しかも、2枚組2セット全54曲で
「1982-1990 VOL..1」は、初期シングル中心にまとめたものということで、以前紹介したBOX「シングル・コレクション」との重複を恐れましたが、「ペパーミント・ピッグ」は7"ヴァージョンのみで12"ヴァージョンはなし、「シュガー・ヒカップ」は12"ヴァージョンで、「真珠の玉しずく」と「エイキア・ギニア」はオルタネイト・ヴァージョンで収録です


コメント(10)  トラックバック(10) 
共通テーマ:アート

コメント 10

sknys

モバサムさん、こんばんは。
「ジャン・コクトーの世界展」は見逃しちゃった。
「マン・レイと友人たち展」(1991)には行ったのですが^^;

『恐るべき子供たち』は岩波文庫で読みました。
萩尾望都がコミック版『恐るべき子供たち』(集英社 1980)を
月刊セブンティーンに連載した時は狂喜乱舞したなぁ。

アンドレ・ブルトンにはレズビアンは奨励しているのに、
ホモセクシャルを生理的に嫌悪する偏狭なところがあった。
狡猾なダリが、そこを突いて1度は「除名」を免れます。

『風と木の詩』の主人公の1人はジルベール・コクトーという名前でした。
竹宮惠子先生には「オルフェの遺言」というSF短篇もありますよ^^
by sknys (2008-02-03 22:39) 

モバサム41

sknysさん、コメントどうも。
「恐るべき子供たち」は、今度、光文社古典新訳文庫(頭の中将さん訳)にチャレンジしてみるつもりです。
昔の少女マンガ家さんたちにとっては、この辺りの知識は一般教養なのだと思います。
萩尾望都のコミック版って簡単に手に入るの?
by モバサム41 (2008-02-04 00:15) 

sknys

萩尾版『恐るべき子どもたち』(小学館文庫)は
書店のコミック・コーナで簡単に入手出来るはずです。

ハリス・アレクシーウの《Paraxeno Fos》をサイドに貼りました。
MM誌の2001年ベスト・アルバム「ワールド・ミュージック部門」の
第2位だったのね^^;
by sknys (2008-02-07 01:15) 

モバサム41

情報ありがとうございます。
早速手に入れるつもりです。
ハリス・アレクシーウも、いつの間にか国内盤が出なくなってしまいました。
残念。
by モバサム41 (2008-02-07 22:41) 

yubeshi

今日の1曲は「オルフェ」のシーンをジャケットにしているThe Smithsの「This Charming Man」もいいかな?
1995年のBunakmuraのコクトー展、私も行きました。もしかしたら買った図録にチラシが挟まっているかも知れません。
by yubeshi (2008-02-10 23:04) 

モバサム41

チラシ見つかったら、スキャナーで画像アップしてください。
いただきますから。
スミスは、苦手なんだってば…
by モバサム41 (2008-02-11 01:02) 

初めまして。

ジャン・コクトーのポスト・カードで、
首にへびを巻きつけているカ-ドをずっと探していて
こちらにだとりつきました。

もしよろしければ、このポストカ-ドをいくらかで譲っていただけないでしようか?
お返事お待ちしております。

sato
by 初めまして。 (2010-04-22 15:25) 

モバサム41

satoさん、コメントありがとうございます。
首にへびを巻きつけているカ-ドっていうのは、写真の中の右上から(反時計回りに)2番目のものでしょうか?
思い入れがあるということなら、お譲りします。
探してみますので、ちょっとお待ちください。
by モバサム41 (2010-04-24 01:21) 

sato

お忙しい中、お返事ありがとうございます。
首にへびを巻きつけているカ-ドは、
写真の中の右上から(反時計回りに)2番目のものです。

こちらのブログで見つけ、衝動を抑えきれず
コメントしてしまいました。
お手数をおかけし、申し訳ありません。

よろしくお願い致します。





by sato (2010-04-24 20:52) 

sato

書き忘れておりました。

もしよろしければ、
こちらsara05@yahoo.co.jpにメ-ルをいただけないでしょうか?

よろしくお願い致します。


by sato (2010-04-27 18:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 10

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。