黄金仮面の王 [ブック]
アート・オブ・ノイズの紙ジャケは…
深刻な財政難のため、まだ購入しておりません
そう言えば…
昔、「そっくりさんシリーズ」なんてやってましたが…
名もなき修羅
あんまり似てない…というなかなかの評判をいただいておりました
で、これです
フランス世紀末文学叢書
国書刊行会
2 黄金仮面の王 マルセル・シュオブ
7 仮面物語集 ジャン・ロラン
15 仮面の書 レミ・ド・グールモン
ある晩、彼は、衣服にまといつく執拗な匂いに悩まされ、土の湿気で手を濡らし、木の裂ける音を耳にしながら顫えている自分を見出した――目の前にはあの本、死から奪い返した生涯の作品があった。彼はそれをリリスから盗み取ったのだ。そして、髪の毛をかき分け、愛しい女の腐爛した軀のなかを手で探ったことを考え、死んだ女の匂いのする色褪せたモロッコ革のこと、腐った匂いとともに栄光の立ち上るいやらしくしめった頁のことを思うと、気を失いそうになった。
だが、いったん感じた理想をふたたび眼にしたとき、リリスの微笑を見、その熱い涙を呑んだように思ったとき、彼は栄光への激しい欲望を感じた。盗みを働いたこと、売春を犯したことを痛切に悔いながらも、満たされることない虚栄心を悲しく思いながらも、その原稿を印刷に出した。俗衆の前に自分の胸を開き、その傷を見せた。万人の眼の前にリリスの死体を、召された乙女たちの間に彼女のむなしい姿を引きずり出した。そして、この冒瀆によって作られた宝からは、流れ出る文に混じって、棺の砕ける音が響いた。
「リリス」(『黄金仮面の王』)より
ロセッティは、その妻エリザベス・シダルが憔悴の果てに死んでから、シダルとともに埋めた自作の詩稿を、墓を暴いて取り出し、出版します
なお、ロセッティときたら、彼が描く女性は皆同じ顔(=仮面)…と有名ですが、これについてヴォルフラム・ヴァルトシュミットはこんなふうに述べています
ロセッティはあれこれの生身の女を賛美したのではなくて、女そのものを賛美した。彼は女の形態をおのれの思想とおのれの欲望の容器としてえらんだのである。それゆえに彼は独特の美の典型を創造した。
『仮面の書』については、こちらをどうぞ
『仮面物語集』については、こちらにチラッと出てきます
今日の1曲
Icarus (Borne On Wings Of Steel) 「銀翼のイカルス」/Kansas
http://jp.youtube.com/watch?v=4TsmwfMXR4Y&feature=related
仮面劇 (紙ジャケット仕様)
深刻な財政難のため、カンサスの紙ジャケまだ購入できておりません
それどころか…
アージェントもマウンテン(すでに品切れ…)もピーター・フランプトンも購入できておりません
おまけ
あまりにベタなので自粛しましたが、「とことんやる」のがうちのコンセプトだった…ということで追加しておきます
覆面ワールドリーグ戦に登場
特殊ガラス製のマスクは、直視できないほど激しく閃光
さらに、電気仕掛けの鉄の牙は、リングロープさえ噛み切る
このイエズス会宣教師風、中世道化師風コスチュームも印象的でした
モバサムさん、こんばんは。
ロセッティの墓暴きエピソードは、どこかで読んだ記憶があります。
すぐに「出典」を示せれば良いのですが‥‥。
山尾悠子の『仮面物語』(徳間書店 1980)も忘れないでね^^
ちなみにエピグラフは、ジャン・ロラン『仮面の孔』。
《‥‥頭巾を取ってみると、わたしは恐怖に口をあんぐり開けて、
あっと叫んだ。銀羅沙の仮面の下には、なにもなかったのである。》
P.S.『仮面の書』のプロトコルが「hhttp:」になっています^^;
by sknys (2008-12-04 00:44)
sknysさん、コメントありがとうございます。
ロセッティの墓暴きは有名な話でいろんなところで引用されていますからね。
山尾悠子の『仮面物語』は、全く知りませんでした。
なかなか気になる作家ですね。
ミスを見つけてくれたお礼に、おまけを追加しておきます。
by モバサム41 (2008-12-05 18:55)