シチュアシオニスト、マルコム [ミュージック]
シチュアシオニストとは、フランスの思想家・映画作家ギー・ドゥボールが50年代末に始めた、文化を通じた政治運動だ。現代社会をメディアと資本主義が支配する「スペクタクルの社会」ととらえるこの運動は、落書きやビラなど自律的なメディアを利用しながら自分たちの生活を再デザインし、メディアに奪われた都市生活を自らの手に奪還することを主張した。68年のパリ五月革命にも影響を与えたことで知られる。
学生時代にパリ五月革命に参加しようとした(が、結局辿りつけなかった)マルコム自身、インタビューの中でシチュアシオニストに大きく影響されたことを語っている。実際自主レーベルや「ジン」と呼ばれる同人誌などのパンク文化のDIY(Do It Yourself)精神は、シチュアシオニストの戦術と重ね合わせることができる。一過性の流行に見えたパンクは、マルコムにとって、いささかひねくれた形ではあるが、68年の政治に対する彼なりの回答だったのではないか。
今日、メディアと資本主義の支配はますます強固になりつつあるように見える。その一方で、インターネットやデジタル技術の発達のおかげの新たなDIY文化を可能にする環境も整いつつある。ポップ・シチュアシオニストと、マルコムの死は、デジタル時代のパンク的な政治文化のあり方を再考するきっかけとなるかもしれない。
(朝日新聞2010年4月22日掲載の毛利嘉孝「パンク音楽を超えて マルコム・マクラーレンを悼む」より引用)
追悼文を書かねば…と思いつつここまで延び延びになってしまいました
まあ、「シチュアシオニスト」というのも悪くはないですが、彼自身はこれまで通り「詐欺師、ペテン師」と呼ばれることで十分満足しているんじゃないでしょうか?
(ちょっと理屈をこねくり回すと)現代人にとって「自由」や「主体性」なんてものは抽象的で不可解な概念であり、それでも敢えて一点突破、完全「自由」を貫き通そうとすると、四方八方から集中砲火を浴びてしまうのが宿命のような気もします
そう、「詐欺師、ペテン師」というのは、大変名誉な称号なのです
マルコム・マクラーレンが手がけた最高傑作は、セックス・ピストルズではなく、そして、カルチャー・クラブでもなく、バウ・ワウ・ワウだというのが持論なのですが、今回はちょっと趣を変えて…
今日の1曲
Stand And Deliver 「スタンド・アンド・デリバー」/ Adam & The Ants
マルコムが、デビュー前のアダム&ジ・アンツのマネージャーを務め、もっと売れそうな新バンド(=バウ・ワウ・ワウ)を結成するためにアダムを裏切りバックのメンバーを引き抜いたというのは有名な話ですが…ホントにもうロクでもない卑劣漢です(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=VPgHbt0ODr4
いや~、昔は恥ずかしくてとても聞けなかったけど、今聞いてみると悪くないです
これぞシアトリカル(=スペクタクル)・ロックの傑作
ヴィデオでは、怪盗「黒いチューリップ」になりきっています(多分…)
アダム・アント 『ザ・ベスト』
↓ このDVDも欲しいです
MALCOM McLAREN profile 1984
モバサムさんこんばんは。
2月にアレキサンダー・マックイーンが死んじゃったと思ったら、
マルコム・マクラーレンも逝っちゃいましたね。合掌。
〈Buffalo Gals〉の入った《Duck Rock》(1983)や、
カトリーヌ・ドヌーヴが参加した《Paris》(1994)も面白かった。
エミリー・シモンさんが来日しました。
緑の妖精+サイバー・パンクな衣裳で6曲披露。
ケイト・ブッシュに瓜二つ(容姿ではなく歌声が)でした^^;
次の追悼記事はデニス・ホッパー?
それとも、The Knackの顔の長〜〜〜〜〜〜い人?
by sknys (2010-06-09 00:07)
昨夜もステレオフォニックスのドラマーが死んじゃったし…この調子なら毎日追悼記事を書けそうです。
そのうち自分の追悼記事も書くかもしれません。
by モバサム41 (2010-06-09 02:17)
もう見ました、面白いですね
by 真月譚月姫 画像 (2010-11-18 17:19)
真月譚月姫さん、コメントどうもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
by モバサム41 (2010-11-23 02:25)