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Desperate Romantics [アート]




芸術新潮の2月号は…
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芸術新潮2014年02月号
「英国ヴィクトリア朝美術の陶酔(エクスタシー)」というテーマで74ページに渡っての大特集(記事は、「美の常識を破る五原則」、「ヴィクトリア朝美術、反撃の50年!」、「生活の中の唯美主義―『ハウス・ビューティフル』」、「少女マンガ家はラファエル前派の夢を見るか」など)、おまけでピュヴィス・ド・シャヴァンヌもフォロー(6ページ)、これ1冊あれば「ラファエル前派展」も「ザ・ビューティフル」展も「水辺のアルカディア」展も行かなくて済むという超お得な内容でした

特集の中でも新谷洋子さんの記事「英国カルチャーシーンの19世紀リヴァイヴァル」はとても興味深く読めましたが、それによると、「ラファエル前派展」がテイト・ギャラリーで開かれたのは2012年秋(原題は「Pre-Raphaelites: Victorian Avant-Garde」)、「ザ・ビューティフル」展がヴィクトリア&アルバート博物館で開かれたのは2011年(「The Cult of Beautey」展)、さらにミレイ回顧展がテイト・ギャラリーで2007年秋に開かれていたとのことで、本国では何回目かの19世紀ヴィクトリア朝ブームが到来しているようです

ブームはアートの世界だけに留まらず、お茶の間テレビにも19世紀末を舞台にしたドラマが登場
BBC製作の「SHERLOCK シャーロック」
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ベネディクト・カンバーバッチがエキセントリックなヴィクトリアン紳士であるホームズを怪演(隣りはワトソン博士?)

そして、こちらもBBC製作のドラマ「Desperate Romantics」(日本では「SEXとアートと美しき男たち」という下世話なタイトル)でPRB=ラファエル前派兄弟団が主役で登場
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ミレイをサミュエル・バーネット(左)、ロセッティ親分をエイダン・ターナー(左から2人目)、ハントをレイフ・スポール(右から2人目)が演じています(一番右はラスキンかな?)
ロセッティ~エリザベス・シダル、ロセッティ~ジェイン~モリス、そしてラスキン~エフィー・グレイ~ミレイの複雑怪奇な関係はドラマの題材としてうってつけなのでしょう、BBCだけでも3度目のドラマ化だそうです

もちろん、名画の制作場面も楽しめるそうで…
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ミレイが「オフィーリア」のモデル、シダルを浴槽に浮かべる場面
長時間の作業でシダルは肺炎を患ってしまいますが…制作も命がけです

他に、ミュージカル「オペラ座の怪人」のアンドリュー・ロイド・ウェーバーがPRBへの思い入れを語ったというITV製作の「A Passion for the Pre-Raphaelites」という番組も登場(なお、ウェーバーは、音楽界ではあのジミー・ペイジと並ぶヴィクトリアン・アートのコレクターなんだそうです)
また、女優エマ・トンプソンが脚本を書いた映画「Effie Gray」も今春には公開予定
ラスキン~グレイ~ミレイの泥々の三角関係がどのように描かれるのか気になります

さらに、ファッション界にもヴィクトリアン・リヴァイヴァルは伝播
VOGUE US版の表紙に女優ジェシカ・チャステインが登場
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もちろん、この作品へのオマージュです
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フレデリック・レイトン 「燃え上がる六月」

グッチの2012-2013年秋冬コレクションより
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コサージュをあしらったドレスは、クリエイティヴ・ディレクター、フリーダ・ジャンニーニがラファエル前派に描かれる女性像を元にデザインした作品だそうです

アレキサンダー・マックイーン2013年秋冬コレクションより
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現在のデザイナー、サラ・バートンも故マックイーン(切り裂きジャックが闊歩したロンドンのイーストエンドの出身)の遺志を継ぎ、19世紀末の風俗を盛り込んだ作品を発表し続けています

アナ スイの2014年春夏コレクションより
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19世紀末英国アートを愛するアナが、テイトの「Victorian Avant-Garde」展にインスパイアされデザインしたロマンティックなコレクション
1960年代英国のミュージシャンたちのフィルターを通して、グィネヴィア妃やシャロット姫を現代に蘇らせる試みだそうです

今日の1曲
Dog Days Are Over 「ドッグ・デイズ・アー・オーヴァー」/ Florence + the Machine
フローレンス&ザ・マシーンを率いるフローレンス・ウェルチも、ラファエル前派への傾倒を明言しています
http://www.youtube.com/watch?v=iWOyfLBYtuU
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ラングス


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コメント 4

makimaki

訪問しました
by makimaki (2014-05-05 17:58) 

sknys

モバサムさん、こんばんは。
「芸術新潮」は松苗あけみインタヴュー
「少女マンガ家はラファエル前派の夢を見るか」が面白かった。
内田善美は「女子美卒」って言っているから、
根強い男性説は否定されました^^

「シャーロック」は3話まで視ました。
でも展開が早くって、尾いて行くのが大変だった^^;

Tate Britain「Ophelia Quiz」
Q 4. ミレイがオフィーリアの肖像を描いた場所は?

・野外(in the landscape)
・彼の浴室(in his bathroom)
・彼の仕事場(in his studio)

これは引っかけ問題

sknys「Millais Quiz」
Q 2.「ラファエル前派兄弟団」の頭文字「P.R.B.」に隠されていた意味は?

・パンダ、アライグマ、ベア(Panda Raccoon Bear)
・パンク・レゲエ少年(Punky Reggae Boys)
・腹違いの皇太子(Prince Royal Bastard)
・ご立派な男根(Penis Rather Better)

これは下ネタ問題

「ザ・ビューティフル」展は兎も角、「ラファエル前派展」は這ってでも行かなくっちゃ!
「バルテュス展」も観に行かないの?

今日のアルバム
Malcolm McLaren《Waltz Darling》(Epic 1989)
http://en.wikipedia.org/wiki/Waltz_Darling
by sknys (2014-05-05 20:58) 

モバサム41

makimakiさん、コメントいつもありがとうございます
by モバサム41 (2014-05-06 15:05) 

モバサム41

sknysさん、コメントありがとうございます
この記事は、芸術新潮の記事にトリビュートを捧げたものでパクリではないですからね(笑)
マルコムMにこんなアルバムがあるとは知りませんでした
マルコメは…(以下自粛)
by モバサム41 (2014-05-06 15:14) 

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