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微笑んでよサラ [アート]




これは2年前に参加したイベントですが、どうにも忘れられないものになりました

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芸術家の肖像
~写真で見る19世紀、20世紀フランスの芸術家たち~
2012年4月14日(土) ~ 6月24日(日)
三鷹市美術ギャラリー

何が強烈だったかというと、人がいない…
客が学芸員の数より少ない…
今どきのミュージーアムときたら、アートの「ア」の字もわかってないような連中が(私も含めて…笑)大挙押し寄せて会場を占拠
おかげで、作品を鑑賞するよりも、前を遮る人の後頭部を観察しながら骨相学の研究にふける時間の方が長いといった事態が生じることも少なくないのですが、このイベントに関してはギャラリーが貸切り状態
5cm前方から舐めるように作品を鑑賞することができました
といっても、写真(引き伸ばしなどされていない小さなサイズ)の中の被写体は、「大芸術家」という付加価値を取り除いてしまえば、ただの高齢者ばかりですから、これでは観客が集まらなかったのもよくわかります
ただ、驚くなかれ
(ベル・エポック期には、女性の白黒写真に手彩色されたポストカードが流行したと前記事で紹介しましたが、)1860年代には、新聞雑誌ジャーナリズムの発展と相まって、時代を彩る名士たち(政治家や作家、画家など)の名刺判写真(カルト・ド・ヴィジット)が大流行したとのこと
人の好みも、時代によって大きく制約されているということです

興味のある方はいないかもしれませんが(笑)、一応紹介しておくと、最初のチラシの中の名士は
左上段、左から
エドゥアール・マネ、ポール・シニャック、オーギュスト・ロダン
左二段目、左から
クロード・モネ、ギュスターヴ・クールベ、サラ・ベルナール
右半分を占める大きな顔は
アンリ・マティス

興味のある方はいないかもしれませんが、チラシ裏面もどうぞ
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最上段、左から
ドミニク・アングル、カミーユ・コロー、ウジェーヌ・ドラクロワ、オノレ・ドーミエ
二段目、左から
ジャン=フランソワ・ミレー、ウジェーヌ・ディスデリ、ナダール(ガスパール=フェリックス・トゥールナション)、ジャン=レオン・ジェローム
三段目、左から
ジュール・シェレ、アンリ=ファンタン・ラトゥール、ジャン=ポール・ローランス
最下段、左から
ポール・セザンヌ、オーギュスト・ルノアール、アンリ・トゥールズ・ロートレック

カタログ・コレクターなんで、こちらも当然購入しました
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おフランスらしくお洒落なのは良いのですが、ページが角度90度以上開かないのは困りものです

そうそう、興味のある方はいないかもしれませんが、一人の日本人女性も紹介しておきます
ロダンの彫刻作品として登場した彼女は…
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「東京に空が無い」と言った智恵子ではなく、ハナコ(花子)です
本名は太田ひさ
20世紀初めに渡欧し、あの先駆者ロイ・フラーに見出され、各地で歌舞伎風のスペクタクルを興行、その看板女優として人気を博した人で、ロダンは彼女のパフォーマンスに感動、モデルを依頼したとのこと(なお、森鴎外の『花子』は、ロダンの求めで花子が裸体モデルになるという東西異文化の遭遇場面を描いた短編小説です)

さて、最後はあの人を出すしかないですね
私もけっして爺の顔を拝みに行ったのではありません
ただこの人に会いたいという想いで行ってまいりました
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サラ・ベルナール(ポストカード)
Sarah Bernhardt
1844-1923
以下、カタログからの引用です
パリ出身。フランスの舞台女優であり初期の映画女優。本名はアンリエット・ロジーヌ・ベルナール。夜の街で商売を営むユダヤ系オランダ人であった母の私生児として生まれる。カトリック修道院で教育を受け、ナポレオン三世の異父弟シャルル・ド・モルニー公爵の援助を受け国立音楽演劇学校へ入学する。1862年コメディー・フランセーズ(国立劇場)で初舞台を踏むが短期で退団し、ベルギーにおいてリーニュ公アンリの愛人となる。一子をもうけた後フランスへ戻り、1866年に移籍したオデオン劇場での活躍で女優としての頭角を現す。1872年国立劇場に戻りヨーロッパでの名声を確実なものにした後、1880年自らの劇団でニューヨーク初舞台を成功させる。国際的スターとして精力的に活動する一方で、私生活においては生涯を通じて多くの有名人との情事を繰り返し、数名の芸術家がその愛人であったといわれる。1914年レジオン・ドヌール勲章を授与される。晩年、舞台で得た負傷がもとで片足を失うがその後も女優として舞台に立ち続けた。
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今日の1曲
Sara Smile 「サラ・スマイル」/ Daryl Hall & John Oates
https://www.youtube.com/watch?v=960B0AHXzl8
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サラ・スマイル
通称「シルヴァー・アルバム」
中身は文句なしですが、おホモだちジャケットは賛否両論でした


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