SSブログ

Pandora's Box [ムービー]

ヤフオクで落札…いや、大切な遺品を分けていただきました

「東洋の美猫」の瞳を持つ
「世界的な美の巫女」
「どこか宇宙人的で世界を駆けめぐるコスモポリタン」

ついでというわけではありませんが、「妹」の方も

山口小夜子を見に行った映画なので、彼女の印象はほとんど残っていないのですが

そして…
できることなら、この遺品もぜひ手に入れたかった

舞台劇「忘れな草」のパンフだそうです
残念ながら、価格が高騰…競争から脱落して涙を飲むこととなりました
無理をしてでも手に入れるべきだったかもしれません

でも、そんなことしてたら9/26発売の「夜明けの口笛吹き40周年記念盤スペシャル・ヴァージョン」や「怪奇と幻想の世界~エドガー・アラン・ポーの世界~(デラックス・エディション)」、おまけに10/6発売の「リンゴのDVD付ベスト盤」の資金が尽きてしまいます。
そうでなくても、娘のEurekaが進学塾通いを始めて、まあ小4の間は週2回だから何とかなるとしても、小5は週3回、小6は週4回となるにしたがって費用も赤丸つき急上昇で、そうだと言うのにこっちの収入はひたすら停滞前線でもうどうにもならんだろう…って、ああ、愚痴ってる場合ではありませんでした(笑)

そんなことはどうでもいいのです
それよりも…
パンフの副題にこうあります

忘れな草…ヴェデキント「ルル」による

ああ、そうだったのか!
ここで、やっと気がつきました(マジで)

そうです
山口小夜子の原型は、ルイーズ・ブルックス=「ルル」だったんだ(あくまで、私にとっては、という意味ですが)
黒髪のショート・ボブ…ときたら、とっくに気づいていても良かったのに

というわけで、ご紹介しておきますね
永遠のFemme Fatale

パンドラの箱 クリティカル・エディション
…実は、まだ見てない(笑)
でも、LD盤はちゃんと見てますから

LDは、「アメリカンバージョン」でした

山口昌男の「ルルの神話学」によれば、「ルル」は舞台芸術のジャンルで19世紀末から前世紀の20年代に至るまで、最も人気のある主題の一つであったということです
この主題のヒロインであるルルは舞台芸術で最も挑発的な人物であり、映画「パンドラの函」の主演ルイーズ・ブルックスがこの神話の形成に絶大な影響を与えた
また、神話学的に解釈すると、ルルは、コロンビーヌ(イタリア喜劇に出てくる女道化)の後継者であり、日常生活の道徳とは無関係のところに生きる存在…「反結婚、非定住、自律、身体、狂気、アナーキー、没我、地の精霊、反文化」といった価値の系列の体現者である、ってことで…
要は、自称「良妻賢母」の方々の天敵にあたる存在だったのかもしれません

というわけで、彼女の犠牲者がいまだに大勢いらっしゃいます
例えば、
OMD(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)
http://www.youtube.com/watch?v=oIP-BPzuI6I
ロータス・イーターズ
http://www.youtube.com/watch?v=MRc6VHICgHw
マルセラ・デトロイト
http://www.youtube.com/watch?v=w_EUgdgJ6pU
そして、これも
http://www.youtube.com/watch?v=cZUZWEc3ElE

さて…
そんな彼女も、最後は償いをしなければなりません

クリスマスの夜、霧のロンドン…
極貧のルルは、仕方なく街に立ちます
三人の客に逃げられたその後で、
もう一人、別の男と出会い…
その男は、「金がないんだ…」と後ずさりしますが、
「いいわ、気に入ったの」
ルルは、彼の手を離しません
男のどこか異様な様子、眼差しの悲しさにでも打たれたからでしょうか
ルルのあどけない笑顔に、男ははにかみながらも従います…
部屋で、
次第に打ち解けてきた男は、ルルにヤドリギの小枝を差し出します
「この樹の下で、君にキスしたい…」
ルルは、ためらうことなく彼に身を任せます
その時、風でロウソクの炎が大きく揺らめき、そばに転がっていたナイフの刃がきらめき…
「誰も僕を救えない…」
男の顔は、みるみる歪んでいきます…

男は…
ルルにとっては運命の男
切り裂きジャックでした


Dedicated to LOUISE BROOKS (1906-1985)

今日の1曲
Femme Fatale 「宿命の女」/The Velvet Underground
http://jp.youtube.com/watch?v=thscq4WReq8
黒髪のニコです

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ (紙ジャケット仕様)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ (デラックス・エディション)


コメント(6)  トラックバック(5) 

コメント 6

yubeshi

夥しいトラップに隠された閣下の甘酸っぱくてほろ苦いセイシュンを感じました。
山口小夜子さん、若い頃に忍び込んだ画商さんのパーティーで見かけた事があります(←見かけただけ)。
凄く背が高くて、オーラ出まくっていて、「美しい」と言うよりも「ちょっと怖い」雰囲気だったと思います(もちろん美人でしたよ)。
by yubeshi (2007-09-14 22:23) 

モバサム41

え~、同じ時空にいたんですね。
うらやましい。
でも、今回のメインは、あくまでルルの物語ですからね。
by モバサム41 (2007-09-15 00:57) 

NAL

ご無沙汰しております。
楽しいアーティクルに反応してしまいました!
山口小夜子さんは「時代の女」でしたね。
前衛的なダンスの舞台を拝見したことがありますが
どこか凛として巫女のようでした。
妹さんってはじめて見た!お雛様のようなきれいな方ですね。

で、そこからニコまでいくのが凄いなぁ・・・感動しました。
またお邪魔させていただきます。
よろしくお願いいたします!
by NAL (2007-09-15 14:21) 

sknys

モバサムさん、こんにちは。
深夜TVで○うらじゅん氏が、ショートボブ=おカッパ(河童)の
考察をしていましたね^^
要するに、おカッパ髪(ショートボブ)の女が好きなんですね。
‥‥ということは、コシノジュンコさんも許容範囲内なのでしょうか?

P.S. Vanessa Paradisさま、7年振りの新作が出ましたよ。
ジャケ画は旦那が描きました。
次は鉄腕アトム・ヘア(ネタ)でお願いします^^
by sknys (2007-09-15 15:39) 

モバサム41

NALさま、お久しぶりです。
ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、「妹」というのは山口小夜子が主演した映画「杳子」で妹役を演じた石原初音という新人(当時)です。
イメージを連鎖させていくという(以前の)手法は飽きたので、最近は一瞬のドラマを再現することを主眼にして記事を書いてます。
なかなかうまくいきませんが…
by モバサム41 (2007-09-16 00:17) 

モバサム41

sknysさん、うちは「美的センス」が売りもののblogなんで、おカッパなどと身も蓋もないことを言わないでください。
by モバサム41 (2007-09-16 00:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 5

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。