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夜叉ケ池 [ブック]




最近、引用記事ばかりじゃないの?という声がどこからともなく聞こえてきますが…
No Problem 、全く罪悪感はありません(笑)
ただ、当ブログ自体が月刊化している都合で、ネタが古い…のがちょっと悔やまれます

荒れ狂う水 表現する身体
J・A・シーザー演出「夜叉ケ池」
鏡花の幻想絵巻劇
 J・A・シーザー率いる演劇実験室◎万有引力が泉鏡花作の幻想絵巻劇「夜叉ケ池」を18日から東京・新宿のシアターブラッツで上演する。シーザーは演出、音楽、美術を務め、劇中の約50曲を作曲した。
 泉鏡花が1913年に発表した戯曲が原作。竜神が封じ込められた夜叉ケ池で、日に3度の鐘をつく萩原晃(飛永聖)。鐘をつき忘れると、洪水が起きて一帯が水没してしまうという伝説があり、晃は鐘をつき続ける。鐘を見に訪れ、友人の晃と再会する山沢学円(高橋優太)や、晃の美しい妻百合(森ようこ)も物語の中心を織りなす。
 シーザーは「洪水や池は舞台で表すことが難しい。音楽や視覚的なものでイメージ化して表現した」と話す。霧やモヤ、水の流れなど、つかみどころのない現象を、役者の身体的な動きや表情を駆使して表すところが見どころだ。
 劇はスライドのような映像を挟む「幻想絵巻劇」にした。「泉鏡花の幻想的な世界や大正ロマンの雰囲気を出した」とシーザー。
 音楽はシンセサイザーやピアノ、パーカッションなどを使い、「深い海底からキンキン、ポコポコと水の音がするようなイメージで作っている」と言う。
 シーザーは「舞台は作り物ではあるが、真実を映し出すための機構。幻想的なイメージの舞台から想像力を育んでほしい」と語る。(朝日新聞6/18付)

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泉鏡花 『夜叉ケ池・天守物語』 岩波文庫
その昔竜神が封じこめられた夜叉ケ池。萩原はただ一人、その言伝えを守り日に三度の鐘撞きを続けるが…。幻想と現実が巧みに溶けあわされた『夜叉ケ池』。播州姫路城の天守にすむという妖精夫人富姫の伝説に取材して卓抜なイメージを展開させた『天守物語』。近年新たな脚光をあびる鏡花(1873 ‐1939)の傑作戯曲2篇。(解説=澁澤龍彦)

これも大傑作ですね
鏡花のイメージの豊饒さには、ただただ圧倒されるばかり
戯曲なので、元々演じられることを意識して作られたのでしょう
登場人物(?)の台詞、そして立ち居振舞いはビシッと決まり、一瞬の隙もありません
エンディングが「デビルマン」なのも和めます
暑苦しい夏の夜は、エゴイスティックで邪悪な人間どもをギッタンギッタンに葬ってスカッとさわやか、魂の浄化(カタルシス)を図りましょう(笑)

今日の1曲
Devil Woman 「デヴィル・ウーマン」/ Cliff Richard
https://www.youtube.com/watch?v=7tuAkdlLhTE
"She's just a devil woman" と歌っていますが、残念ながら私には「彼女はただのデブ女」と聞こえてしまいます
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BEST NOW クリフ・リチャード

関連
『高野聖・眉かくしの霊』については、こちら

P.S.
鶴見和子先生の弟、鶴見俊輔さんがお亡くなりになりました
心よりご冥福をお祈りいたします

ついでなんで、こちらも引用しておきます(朝日新聞夕刊8/4付)
鶴見俊輔さん、姉しのび残したメッセージ
 93歳で亡くなった哲学者の鶴見俊輔さんが、姉で社会学者の故・和子さんのため、メッセージを残していた。7月31日、和子さんをしのぶ都内での「山百合忌」で読まれた。姉の存在が「私という形を作る上で、大きな影響を与えたのでした」と振り返っている。
 メッセージは、「時間として考えた時、姉と私との会話ははかることが出来ないほど、長いものでした」と始まる。俊輔さんが主に聞き役を務めたが、「論理的に飛躍がある時」「対象の扱い方に甘さがつきまとう時」は容赦なく口をはさんだという。
 自分を「姉のような優等生ではない」とし、「速く物事を理解し、それを使いこなす姉に対し、そこから抜け落ちるものにむしろ私は引かれました」とも述懐している。
 家族が書き取り、亡くなる1週間ほど前に、主催者に届いたという。


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