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ユリイカ2016年2月臨時増刊号 [アニメ・コミック]




たまにリアル書店に行くと、良いことがあります

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ユリイカ 2016年2月臨時増刊号

表紙(縁起物?)だけでもう大満足
つい買ってしまいました(笑)
2012年12月号以来です
総特集「江口寿史」でホントにいいの?とも内心思いましたが
これは、私だけでなく、世間も「巨匠」と認めたということなのでしょう

さて、ここでいきなり問題です
ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1」p.244でひばりくんが聴いている曲「♪ズンチャカズンチャズンタタタ♪」は何でしょう?(曲名もしくはアーティスト名を当てられるものなら当ててください…笑)
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答えは、最後の「今日の1曲」で

以下、本書所収の資料「江口寿史を読み解く59のキーワード・増補改訂版」より引用です
アンディ・ウォーホール
1928-87年、アメリカのポップアーティスト。1983年ごろ、TDKビデオカセットテープのCMに、ウォーホールが登場。右肩にテレビのテストパターン(カラーバー)を担ぎ「アカ~、ミドォリ~、グンジョウいろぉ(群青色)、…きデいィ(綺麗)」と、たどたどしい日本語で話す姿は、江口にも強烈なインパクトを与えたらしく、「ストップ!!ひばりくん!」の内輪ネタ回で、ウォーホール風の江口が「原稿…まっ白…、きデいィ(綺麗)。」と自演していた。

「一の瀬博士」
「怪獣王国」「地球防衛隊シリーズ」に登場する白髪で恰幅のいい、どこかすっとぽげた老科学者。怪獣退治で大活躍する。元ネタは『ウルトラQ』(1967)で全28巻中9エピソードに登場した科学者・一ノ谷博士である。

「ストップ!!ひばりくん!」
『週刊少年ジャンプ』で可愛いアラレちゃんが主人公の「Dr.スランプ」が大ヒットし、江口もかわいい大空ひばりが主役の本作を描き、人気作となる。1983-84年にはテレビアニメ化され、ひばりくん役の間嶋里美と坂本耕作役の古谷徹は、後に結婚した。原作は27年間かけて(!)、2010年に完結。
なお、江口と交流のある漫画家・藤沢とおるの初期作で、女形の美少年が主人公の「姿純情BOY」(『週刊少年マガジン』1989-90)は「ひばりくん」へのオマージュ的作品である。

トーマス兄弟
『なんとかなるでショ!』で強力なインパクトを見せつけた、マッチョなオカマの双子。モデルは江口が通っていた吉祥寺の「珈琲トーマス(現在は閉店)」の兄弟マスター(双子ではない)。江口によると「店に入るといつも二人でハモって『いらっしゃいませ』っていうのがオカシくて。同じ服着てるし、声も高くてオモシロかったです」とのこと。
余談であるが、一世を風靡した拳法漫画『北斗の拳』(1983-88)の「修羅の国編」初期には、明らかにトーマスをモデルにしたマッチョな拳法家「砂時計のアルフ」が登場しており、すごく笑える。

「パロディ世代の旗手」
パロディ[parody]美術用語では、有名な芸術作品などを戯画的に自作に使用したもの。ダダ的手法。95年『宝島30』での切通理作によるインタビューには「江口寿史――『少年ジャンプ』の人気作『すすめ!!パイレーツ』でパロディ世代の旗手として登場」とある。そういえば「原稿落とし」「編集との攻防」など、どこか手塚治虫をはじめとする往年の漫画家のパロディのようにもみえる。

「マカロニほうれん草」
『週刊少年チャンピオン』に1977-79年に連載された伝説のギャグ漫画。アパートほうれん荘に下宿を始めた高校1年生の沖田そうじを主人公に、留年10回のひざかた歳三、留年25回のきんどー日曜がアナーキーな学園ギャグをくり広げた。本作の連載に関しては『チャンピオン』編集部では反対が大勢を占めたが、編集長・壁村耐三(1934-98)の押しで決定したという。なお、壁村の数々の逸話は『ブラック・ジャック創作秘話』(秋田書店)に詳しい。鴨川つばめの絵は、眼の大きい少女漫画風のキャラクターで、女性にも人気があった。基本は「キャラクターが一発ギャグをかます」「異常な行動をする者(ボケ)に、間髪入れず怒鳴りつける(ツッコミ)」「異常な行動やギャグに、周囲がドドっと一斉にズッコケる」という、山上たつひこも好んだ吉本新喜劇的な笑いである。一方で下ネタはあまりみられない。
鴨川が始めた画期的ギャグとして、「怪獣映画やウルトラシリーズ・アニメのパロディ」がある。「がきデカ」のこまわり君は突如タヌキのコスプレをし、周囲や読者を大混乱させたが、「マカロニ」ではひざかたさんやきんどーさんはゴジラやガメラ、キングギドラやウルトラマンなどに変身して大暴れ、読者を楽しませた。この種の特撮・アニメパロディは、TV世代の若手ギャグ漫画家に模倣されていく。また鴨川は「自分の趣味」をセンスよく描き、ユーロロックやミリタリー趣味などが作品内に縦横無尽に盛り込まれた。
カッコイイひざかたさん(モデルは英国ミュージシャンのブライアン・フェリー)や女性キャラたちの服装は毎回異なり、じつにファッショナブルであった。そして鴨川は本篇とは関連がない、「独立した扉絵」を描き始め、これに江口も大いに影響を受け、扉絵に凝るようになる。
江口の「すすめ!!パイレーツ」は「マカロニ」から半年遅れて1977年秋からの連載。江口は「マカロニほうれん荘には、やりたいことを先にやられてしまった」と語っている。

今日の1曲
「ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1」p.246より
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上記コマ中に出てくるアルバム・ジャケットより
問題の解答は、どうやらこれだったようです
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錻力の太鼓
Ghosts 「ゴウスツ」/ JAPAN
https://www.youtube.com/watch?v=7zzLU1ato2w

鴨川つばめが「マカロニ」で70年代のブリティッシュ・ロックを参照したのに対し、江口寿史は「パイレーツ」や「ひばりくん」で当時勃興したばかりのニュー・ウェーヴやテクノ、クラフトワーク、YMOを登場させ、時代に密着したスリリングな展開を試みます


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