SSブログ

カルメン'07 [ミュージック]


はあ、わたしの名前はカルメンでっす~♪
ああ、もちろんあだ名にきま~てまっす~♪
http://www.youtube.com/watch?v=awl3NgjzLvs&feature=related
ふしぎなおどりでHPが10すいとられた…
(予想通りの展開、黙認していただきありがとうございます…)

というわけで、祝エリック・カルメン紙ジャケ化
まずは、前半戦ラズベリーズの巻

ラズベリーズ (紙ジャケット仕様)
明日を生きよう (紙ジャケット仕様)
サイド3 (紙ジャケット仕様)
素晴らしき再出発 (紙ジャケット仕様)

…素直に祝いたかったんですが、雑誌の広告コピー見て喜び半減

「70年代のアメリカン・ポップスの使者“エリック・カルメン”率いる伝説のポップ・グループ“ラズベリーズ”のキャピトル・オリジナル・アルバムが最新24ビット・デジタル・リマスタリングで今再び!!」…
1stアルバムのコピーは、「パワー・ポップの原点ここにあり!」…
3rdは、「ハード・ポップの頂点を極めた名盤!」…

何度も言ってるんで耳タコかもしれませんが、「パワー・ポップ」とか「ハード・ポップ」なんてジャンルは要らないです
ただ一言「ロック」と紹介してくれればいいですからね
どうも悪意を感じちゃうんだよな
この手のキャッチーな聴きやすい音は断じてロックとは認めてやらん、難解な音こそロックにふさわしいんじゃ、とでも言いたげな…
さらに、ロックは、ポップの上位概念であるといったアナクロな思い上がりも透けて見えるような…
まあ、私が勘ぐり過ぎなだけかもしれません
「パワー・ポップ」とか「ハード・ポップ」なんて言葉は、ヒット曲を出せない負け犬たち、あるいは「評論家」連中の、羨望混じり、劣等感の表れだと素直に? 受けとめてあげることにしましょう

で、気分転換のために、まずはこの曲
Go All The Way 「ゴー・オール・ザ・ウェイ」
http://www.youtube.com/watch?v=x7a9D92Je2s
すべてはこの曲から始まった? 全米シングル・チャート5位まで上昇したラズベリーズの出世作
とにかくカッコイイ!
キラキラと輝いていて、そして(彼らにとっては常套句ですが)甘酸っぱくて切なくて…
もしヒット・シングルの教科書が存在するものなら、バッドフィンガーの「嵐の恋」と並べて掲載しておきたい、それほどカンペキな作品です
(シングル・ヒットなんてロックには不要だ、などと反論される「評論家」の方もいるかもしれませんので、それに対して持論を述べておきますが、ロックに限らず音楽は個々の曲の出来がすべてです=アルバムのトータルな評価なんてのは二の次です、優れた曲を無から創り出せたら、そしてその曲に少しでも革新的な部分が含まれているなら、自信を持ってシングル・カットするべきです)

ここで、最近の音楽シーンにも挑発を仕掛けておきますが(懐古趣味のガンコ親父モードです)、現在第一線で活躍してるアーティストでこれだけのポテンシャル備えた曲をコンスタントに供給できる人ってまずいないのでは?
まあ、今どきの音って、いいなと思ったら誰かのパクリだし、そうでなければ貧弱な音楽性をフンイキやスタイルの独自性でごまかしてるだけだし…楽曲の良さなんて鼻から要求されないのかもしれませんが
あと、もう一つ挑発付け加えると、最近の人はなんか「華」がないんだよな…ルックスも相当大事です(笑)

アルバムの紹介もしておきます
「ゴー・オール・ザ・ウェイ」が収められていた1stアルバムが、『ラズベリーズ』(1972年)
今回の紙ジャケでは、ラズベリー(=木いちご)の香りのするシール付

小学生雑誌の付録に付いてるような、このたった1枚のシールのせいで、価格は(通常盤より400円も高い)3,000円となってしまいました…う~ん、さすが東芝EMIさん、債権回収に抜かりない

1stでは他に、デビュー曲としてシングル・カットされたDon't Want To Say Goodbye 「さよならは言わないで」も聞き物
エリックのクラシック趣味が如実に表れた名曲で、ロマンティックな出だしはハート鷲づかみ、そして最後は盛り上がる盛り上がる(笑)
この曲がもう少しヒットしていたら(最高86位)、球種が増えてラズベリーズの寿命ももっと伸びていたはずなのに…

2ndは、『明日を生きよう』(1972年)
ヒット曲は2曲
邦題タイトル曲で勢いのある I Wanna Be With You 「明日を生きよう」
http://www.youtube.com/watch?v=a-59A2JwbBc
どうでもいいことですが、この邦題はグラス・ルーツの「今日を生きよう」の本歌取りです
それから、名バラード Let's Pretend 「レッツ・プリテンド」
http://www.youtube.com/watch?v=Wqmm7jTKLiA
後に、日本でも神がかり的に人気があったベイ・シティ・ローラーズがカヴァーして、ラズベリーズ・ファンはびっくり仰天、ラズベリーズを世に知らしめてくれてありがとうと感謝した…かどうかは定かではありません

3rdは、『サイド3』(1973年)
紙ジャケでは、ラズベリー変形ジャケットを忠実に再現

これは、通常盤より400円高くなるのも納得…う~ん、でも、やっぱり3,000円は許せ~ん
シングルは、Tonight 「トゥナイト」
http://www.youtube.com/watch?v=nuAy4VjfDlY
音はどんどんハードに深化していきますが、残念ながらセールスは伸び悩み…(最高69位)
そして、もう1曲、ラズベリーズ全曲の中で私の一番のお気に入り、Ecstasy 「君に首ったけ」
ハードなんだけど、切ない、ほろ苦い…(残念ながら動画ありません)

そして、メンバー・チェンジ後、発表されたラスト作が『素晴らしき再出発』(1974年)
シングルOvernight Sensation 「オーバーナイト・センセーション」がヒットして(最高18位)、ファンとしてはホッとしましたが、彼らのトレード・マークの鮮度や酸味が失われたような気がして…密かに終焉を覚悟したものです

ラズベリーズ全成績(年はチャート・ピーク時)
Albums
1 Raspberries #51/1972
2 Fresh #36/1972
3 Side 3 #128/1973
4 Starting Over #143/1974
5 Raspberries' Best Featuring Eric Carmen #138/1976
Singles
1 Don't Want To Say Goodbye #86/1972
2 Go All The Way #5/1972
3 I Wanna Be With You #16/1972
4 Let's Pretend #35/1973
5 Tonight #69/1973
6 I'm A Rocker #94/1973
7 Ecstasy #-/1974
8 Drivin' Around #-/1974
9 Overnight Sensation (Hit Record) #18/1974
10 Cruisin Music #-/1974

後半は、ソロ作品の巻
アリスタ・レコード時代の4作品も紙ジャケ化されました

サンライズ (紙ジャケット仕様)
雄々しき翼 (紙ジャケット仕様)
チェンジ・オブ・ハート (紙ジャケット仕様)
トゥナイト・ユア・マイン (紙ジャケット仕様)

一番印象に残るのは、やっぱり『サンライズ』、満を持して発表されたソロ・デビュー作です(1975年)
今回、もちろん初の紙ジャケ化ですが、完全復刻ではないのかな?…アナログ盤のジャケットは背景色が茶色じゃなくて金ピカだったような気がするんですが
音の方は…
冒頭「サンライズ」のイントロにサプライズ、重厚シンセ音による幕開けで、ありゃエリックまでプログレかよ~とあせったものです
セールスの方もおかげさまで好調で、「オール・バイ・マイセルフ」と「恋にノー・タッチ」、inspired by Rachmaninovの2大シングル・ヒットも生まれました
All By MySelf 「オール・バイ・マイセルフ」
http://www.youtube.com/watch?v=D3j_fdSpkmE

今回の紙ジャケには、ボーナス・トラックとして同曲のSingle VersionとAlternate Versionが収録されていますが、Alternate Versionはタイム4:54なんで昔「ハングリー・アイズ」ヒット時に出たベスト盤(BMGビクター A32D-46)に収録されていたものと同一
Single Versionの方は4:33なんでオリジナル・シングル盤(4:26)よりも若干長いです
ちなみに、一番最初のベスト盤(日本フォノグラム 32RD-58)に収録されていたのが4:30で、これがシングル盤に一番近いです
…すみません、私シングル・コレクターなんで、一般の方にはつまらない話をしてしまいました
どうせってことでさらに続けると、1stアルバムからの3枚目のシングルとなった「サンライズ」もシンセのイントロをカットしたSingle Versionがあって、これも超レアで長年探してます(笑)

さて、『サンライズ』の後のアルバムは、『雄々しき翼』(1977年)、『チェンジ・オブ・ハート』(1978年)、『トゥナイト・ユア・マイン』(1980年)と続きますが…
ヒットを出すこと、「売れる」ことにこだわったエリックは(売れなきゃ後がない過酷なショービズの世界では、仕方のないことです)、自分の拠って立つべきポジションを固定できず、不必要に揺れ動いてしまったのかもしれません
結果は…思うように行かず、傷心者エリックはしばらく沈黙することになります…
ソング・ライターとしては、そこそこ、というか、かなり売れていたんですが
大アイドルのショーン・キャシディに提供した「すてきなロックン・ロール」(最高3位)とか「ヘイ・ディニー」(最高7位)とか、それから、アン・ウィルソン(ハート)とマーク・レノ(ラバーボーイ)のデュエットしたフットルースのサントラ「オールモスト・パラダイス」(最高7位)とか

なお、今回の『トゥナイト・ユア・マイン』の紙ジャケには、奇跡の復活2大ヒット「ハングリー・アイズ」と「メイク・ミー・ルーズ・コントロール」、それから「オールモスト・パラダイス」の自演ライヴなどボーナス・トラック8曲も収録でお得感ありますが、どうせなら1985年のゲフィン移籍作も同時に紙ジャケ化して、そこに入れといてほしかった…

エリック・カルメン全成績(年はチャート・ピーク時)
Albums
1 Eric Carmen #21/1975
2 Boats Against The Current #45/1977
3 Change Of Heart #137/1978
4 Tonight You're Mine #160/1980
5 Eric Carmen #128/1985
6 The Best Of Eric Carmen #59/1988
Singles
1 All By Myself #2/1975
2 Never Gonna Fall In Love Again #11/1976
3 Sunrise #34/1976
4 She Did It #23/1977
5 Boats Against The Current #88/977
6 Marathon Man #-/1978
7 Change Of Heart #19/1978
8 Baby, I Need Your Lovin' #62/1979
9 Haven't We Come A Long Way #-/1979
10 It Hurts Too Much #75/1980
11 All For Love #-/1980
12 Foolin' Myself #-/1980
13 I Wanna Hear It From Your Lips #35/1985
14 I'm Through With Love #87/1985
15 Rock Stops Here #-/1986
16 Hungry Eyes #4/1987
17 Make Me Lose Control #3/1988
18 Reason To Try #87/1988

総括すると…
平凡な成績かもしれません
ヒットねらいのシングルは、大バラード以外にも、ウォール・オブ・サウンドやモータウン風、ディスコ調まで何でもあり…Boats Against The Current(=流れに逆らう小舟)と言ってた割には、ゆらゆらと揺れ動いてしまいました
…でも、エリックのこの成績、苦闘の歴史を日本の一ファンとしてとても誇りに思います

最後に、トリビュート盤を2枚紹介

ラズベリー・ジャム~ラズベリーズ・トリビュート
カム・アンド・ゲット・イット~バットフィンガー・トリビュート

ラズベリーズをバッドフィンガーと比較してみると…
バッドフィンガーには、レノンもマッカートニーもいたんだよな(ピートがレノンで、トムとジョーイがマッカートニー、ジョーイなんて顔までポールにクリソツ)
ところが、ラズベリーズには、マッカートニーしかいなかった(もちろんエリック)、ウォーリー・ブライソンがもうちょっとがんばってくれてれば…

P.S.
女性ファンの方に怒られちゃうかもしれませんが、エリックってよ~く見るとサル顔、というかモンチッチ顔…
で何を隠そう、うちのちびサムも典型的なモンチッチ顔で、上級生からはウエンツと呼ばれてます(笑)


コメント(4)  トラックバック(2) 
共通テーマ:音楽

コメント 4

Kayo

モバサムさん

大変ご無沙汰しています。

木いちごの、甘酸っぱい香りに誘われてやって参りました。
いいですね〜...と言いながら、私紙ジャケとか、集めてませんが。

匂いつき、アルバム、ちょっと欲しいかも。

>パワー・ポップ」とか「ハード・ポップ」なんてジャンルは要らないですただ一言「ロック」と紹介してくれればいいですからね
どうも悪意を感じちゃうんだよな
この手のキャッチーな聴きやすい音は断じてロックとは認めてやらん、難解な音こそロックにふさわしいんじゃ、とでも言いたげな…


この発言、大拍手ですよ。

コムズカシイのが、良い音楽だと思っている、音楽評論家さん達が、私当時から、苦手だった。だから、反対に「パワーポップ バンザイ!何が悪い!」って感じだったけど。(笑)

とにかく、ラズベリーズそして、Eric Carmenの曲のセンスは、大好きです。あまりに、All by myselfが、メジャーすぎて、凄くメローなラブソングだけと思われているところが、「そうじゃない!」と言いたいところだけど。

あ...Livin' with out you (正式名違うかな?)が、あまりにメジャーで、損してる感じのする、Bad Fingerもそういうとこ、似ているかも。

もちろん、そういう曲も名曲で、そういう曲を否定したいわけじゃないのですが...。ね!
by Kayo (2007-06-05 22:39) 

モバサム41

Kayoさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
曲の持ってるパワーが、すべてだと思います。
で、パワーが足りないから、言葉やうんちくで取り繕おうとする。
ま、「評論家」は、○字書いていくらの、ショービズ以上に過酷な世界を生き抜いていらっしゃる方々ですから、仕方ないことなのでしょう。

エリックにとって、All By Myselfの大ヒットは不幸なことだったのかもしれません。
バラードは、全部All By Myselfの亜流だと思われちゃう。
バッドフィンガーのWithout Youは、ニルソンの暑苦しいヒット曲より、オリジナルのほうがサラッとしてて新鮮です。
ピートは、ソング・ライターとしてもヴォーカリストとしても、やっぱりすごいですよ。
by モバサム41 (2007-06-05 23:23) 

ヒューブラー

エリック・ハワード・カルメンの大ファンです。アッ、はじめまして!実は、タイトルが「ERIC CARMEN」で1985年にリリースされた、当時、ソロになって5作目で移籍後(ゲフィン レコード)第1作目なんですが、CDが手に入りません!もし、よろしかったら情報をいただけませんか?
お初なのに、いきなり我がままゆってすみません・・・
by ヒューブラー (2007-08-19 17:26) 

モバサム41

コメントありがとうございます。
ゲフィン移籍作って、今は廃盤で、オークションでものすごい高値で取引されてるそうですね。
日本では(今は)ユニバーサルの取扱いですが、出ないこともないと思いますよ。 
アリスタ紙ジャケが結構売れたんで。
by モバサム41 (2007-08-19 21:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

A Rainbow In Curved ..虫めづる姫君 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。