SSブログ

トロイ [ムービー]


これもずっとDVD購入リストに入っていたんですが…先越されてTV放映されちゃいました
忙しいんでとりあえず録画しとけばいいか~と軽く考えて…ふと気がついたら、しっかり見ちゃってました(時間ないのに…)
いつもアンチ・ギリシアでトロイア側を応援してるんですが、今回も痛恨の敗北…くっそ~(笑)

というわけで、急遽「トロイ」を


トロイ 特別版

映画はアキレウスとヘクトルの死闘まで、あるいはせいぜいアキレウスのあっ気ない死まで、と予想してたんですが、ラストの「トロイの木馬」までやっちゃってましたね
さすが映画=王道エンターテイメント、見せ場は(ストーリーをねじ曲げてでも)逃しません
10年戦争を2時間半のダイジェスト版に編集しなきゃってことで、乱暴な展開も多々ありました…副将メネラオスも勇者アイアスも早々に戦死、最後は総大将アガメムノンまで…

でも、予想してたよりはずっとまともで(笑)、楽しめました
ブラピの猿顔アキレウスも見る前は抵抗あったんですが、ニヒリストぶりがなかなかはまってました(戦いの目的は、誰かを守るためでもなく、ましてや国のためなんかでもない…)

で、私の「トロイア戦争」体験ですが…

(上)イーリアス 岩波文庫旧訳版 上・中・下
(下)イリアス 岩波文庫新訳版 (上)(下)


(左)ヘレネー誘拐・トロイア落城 講談社学術文庫
(右)トロイア戦記 講談社学術文庫

この戦いは、もう強烈で強烈で…これが、私の戦争の「原初体験」かもしれません
特に、アキレウスとヘクトルのラスト・バトル、一騎打ちの場面…映画では割愛されてましたが、アキレウスの凄まじい怒りに恐れをなしたヘクトルは城砦の周りをぐるぐると逃げ惑います
背後に迫る天敵の熱い吐息を感じながら、吹きすさぶ風の中を必死で逃げるヘクトル、城砦の上で嘆き悲しむ父母の姿も目に入りません
最後は…観念して勇者らしく勝負を挑みますが…無敵の戦士にかなうわけもありません
死に際して、彼はアキレウスに自分の死体を両親に返すよう懇願します…が、復讐に燃えるアキレウスが聞き入れるはずもなく、ヘクトルの屍は城砦の周りをぐるぐると引きずり回され、ずたずたに引き裂かれます

それから、トロイア陥落の場面も…
栄華を誇った町は無残に焼かれ略奪され、捕虜たちの運命は…もちろん問答無用です、男は虐殺され、子どもは城壁から突き落とされ、女は奴隷として辱めを受ける…
勝った側も、喜んではいられません
いつの間にやら狂気に取り憑かれ、鬼畜と化していたのですから
最初のうちは、大義名分を抱いて戦っていたのかもしれません、せめて人間性を失わずにいようと決意した者もいたかもしれません
でも…戦争という極限状況の大嵐の中では、そんなちっぽけなものはすべて吹き飛ばされてしまいます

そして…
戦いの後も悲劇は続きます 

(左上)ギリシア悲劇 1 アイスキュロス ちくま文庫
(中上)ギリシア悲劇 2 ソポクレス ちくま文庫
(左下)ギリシア悲劇 3 エウリピデス(上) ちくま文庫
(中下)ギリシア悲劇 Ⅳ エウリピデス(下) ちくま文庫
(右)ギリシア悲劇名言集

ギリシア悲劇って、結局、呪われたアトレウス家(アガメムノンの一族)の物語ですよね
アガメムノンは、戦いに勝つために愛する娘イピゲネイアを犠牲にした…
そして、勝ち戦の得意の絶頂の最中、帰国した彼は、妻クリュタイムネストラに裏切られ風呂場で惨殺…
その後、息子のオレステスは、姉エレクトラの力を借りて、見事父の仇を討ちますが、それは同時に母殺しとなり、追放された彼は半狂乱で各地をぐるぐる、ぐるぐるとさまよう…

悲劇は、無限に連鎖します

今日の1曲
アキレスではなく、傾国の美女です(笑)
Helen Wheels 「愛しのヘレン」/Wings

バンド・オン・ザ・ラン スペシャル・リミテッド・ボックス

バンド・オン・ザ・ラン スペシャル・リミテッド・ボックス

  • アーティスト: ポール・マッカートニー, ウイングス, リンダ・マッカートニー
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1999/04/09
  • メディア: CD

P.S.
もうすぐ5月3日ですが…
一人前の国なんて、たくさんです
美しい国なんて、くそったれです


コメント(2)  トラックバック(3) 
共通テーマ:映画

コメント 2

yubeshi

トロイは昔、知り合いがW○nnyでダウンロードしたニセトロイを見た事があります(何か外国のテレビドラマらしい)。まぁ、ストーリーは一緒なんですけどね。
確かエレクトラの話もすっごくマイナーですが映像化されていましたよ。
by yubeshi (2007-05-02 00:33) 

モバサム41

これは、「原典→映画」をお勧めします。
ただし、ホメロスの原典は、登場人物があまりに多すぎて、人間関係が全く把握できません。それでも、苦労して読めば、お気に入りの武将が一人くらいは見つかります(笑)
私のお気に入りは、トロイア方のアイネイアス。ホメロスでは目立ちませんが、ヴェルギリウスの「アエネーイス」では、主役に抜擢され大活躍します。
by モバサム41 (2007-05-02 21:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。