アガタ／声

「師走」ということで、なかなか時間が確保できません

年末恒例の編集ベスト盤（＝自選お気に入り記事コレクション）をリリースするとか、今年1年間の出番の少なさを嘆き悲しんでいる当blog専属（？）サブキャラたちに慰安記事を書くとか、いろいろ予定していたのですが、どうやら厳しいようです
　
なので、困った時のお手軽つなぎ…
こちらです

オークションやりくり日記　５日目

フェルナン・クノップフ　記念切手シート　ベルギー　2004年発行
定価1.24ユーロ→相場価格不明→落札価格1,000円（他に送料・手数料298円）
まあ、一種の見せびらかしです（笑）

切手シートといえば、既出ですが、ついでにこちらも紹介しておきますね

ジャン・コクトー　切手シート
1995年の「ジャン･コクトーの世界展」でゲットいたしました
まあ、やっぱし見せびらかしです（笑）

そうそう、コクトーといえば、新刊が出たんでしたね
光文社古典新訳文庫から
で、思わず買ってしまいました

アガタ／声　光文社古典新訳文庫
デュラスとのカプリングというのは意外でしたが、結構スリリングなバトルとなりました

まず先攻は、デュラスの「アガタ」
これは「禁じられた恋」に陥った（？）兄妹の対話劇です

男　こうしてまたも再び、二人を取り囲む暗く暑い壁が、我々の掟に他ならないこの禁止の静寂が。（間）こうしてあなたは、僕に告げるためにやって来たのだ、あなたが僕から遠く離れて決めた決心を、それもこの禁止を、一層禁じられたものにするためだった。
女　そうよ。一層危険なものに、一層恐れられ、恐るべきであり、恐ろしいものに、一層未知なるものに、呪われて、常軌を逸した、耐えがたく、耐えがたいものに最も近い、この愛に最も近いものとするために。（間）
男　見えている。見えて、気が狂いそうだ。（間）
女　それは、確か？
男　確かなのは、愛するということだけ。
女　他のことは何も、確かではない？
男　他のことは、何も。

「愛は障壁」の究極の形なのかもしれません

そして、後攻コクトーの「声」は「対話である独白」
電話越しの男、「不在」の男が告げる「別れ話」を女は慎ましく受け止めますが、やがて絶望は隠せないものとなっていき…

・・・御免なさい。分かっています、こんな話は我慢ができないわよね、よく我慢して下さっている、でも、分かって、苦しいの、苦しいのよ。このコードが、まだわたくしを、わたくしたち二人に繋いでいる最後の糸だということ・・・・・・・・・・・・・・・・・一昨日の晩？　眠りました。電話を抱いて寝たわ・・・・・・・・・・・・ちがうわよ。ベッドで・・・・・・そうよ。分かっています。本当に馬鹿げています、でも、でも、ベッドのなかで電話を抱いていたのは、なんとかかんとか言っても、二人は電話で結ばれているんですもの。あなたのお家まで届いているし、お電話を下さるって、お約束して下さったでしょう。それでね、物凄く沢山夢を見たの、切れ切れの夢を、それは沢山。約束のお電話が本物の拳骨になって、わたしは殴り倒されるの、そうかと思うと、頸をね、頸を絞められる、それから今度は、海の底よ、オートゥイユの家にそっくりなのよ、それが、わたしは潜水服のパイプであなたに繋がれていて、そのパイプを切らないで下さい、お願いですって、あなたにすがるの――こうやってお話しすると、馬鹿みたいな夢だけれど。でも、寝ているうちは、その夢は生きていて、恐ろしい・・・

「残酷さ」も愛の必然なのかもしれません

今日の１曲
Voices Carry 「愛のVoices」/'Til Tuesday
http://www.youtube.com/watch?v=rCO-dzitHIE&feature=related

ザ・ベスト・オブ・ティル・チューズデイ