世紀末芸術

公約を高く掲げたからには、果たしてそれがどこまで実現できているかを絶えず検証していかねばなりません

…というわけで、『サージェント・ペパーズ』補完計画（何度も説明するのメンドーだから、知らない人は前回の記事でも見てね）

その壮大なるプロジェクトの不朽の成果物をここに提示して、これまでの達成度合を世に知らしめたいと思います

で、１回目の今回は…（小出しにするのがポイントです）
もうこの人しかおりません
ジャケットの左上におわします、16番の人（番号はアルバムのインナー参照）

オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー
Aubrey Vincent Beardsley
1872-1898

うちのblogの常連メイン・キャラのような人ですから、今さら説明の必要はないと思います
一応、ウィキペディアの紹介を転載しておくと…
イギリスのイラストレーター、詩人、小説家。
ヴィクトリア朝の世紀末美術を代表する存在。
悪魔的な鋭さを持つ白黒のペン画で鬼才とうたわれたが、病弱ゆえに25歳の若さで夭折した。

ま、悪くはないんですけど、でも…
ビアズリーは、単なる「イラストレーター」や「小説家」ではないんだよな
肩書きつけるなら、世紀末を体現しながら刹那を全力で疾走した人、つまりは、世紀末そのものとでも言えるような人
敢えてそんなふうに言わせてもらいます

ビアズリーが登場する主な記事
デカダン（退廃）
吸血鬼ビアズリー
リーグ･オブ･レジェンド/時空を超えた戦い
薔薇物語
ギュスターヴ･モロー 絵の具で描かれたデカダン文学
魔剣よ！円卓の騎士よ！
キャメロット

記事「ギュスターヴ･モロー 絵の具で描かれたデカダン文学」でも紹介した作品ですが…
ハンブル・パイ『大地と海の歌』　紙ジャケット仕様

オスカー・ワイルド『サロメ』より「腹の踊り」

こちらは、記事「吸血鬼ビアズリー」で紹介
ペスキー・ジー！『エクスクラメーション・マーク』　紙ジャケット仕様

ポープ『髪盗み』より（作品名不明）

今日の１曲は、ペスキー・ジー！の方から再度プッシュしておきます
A Place of Heartbreak｢ア･プレイス･オブ･ハートブレイク｣ / Pesky Gee
http://www.youtube.com/watch?v=Ozse6mIzDDs
ジャケット裏面もビアズリーで統一

暗黒胎児の登場です（作品名不明）

書籍も「吸血鬼ビアズリー」などでいろいろと紹介しましたが、これは基本書なのでどうしても外せない

S・ワイントラウブ『ビアズリー伝』　 中公文庫
表紙カヴァーは「イゾルデ」

使い回しのネタでまたダラダラとやってるのと言われてしまいそうなので、あと１点だけ
あまりに有名ですが、当blog初登場なので、これを

高階秀爾『世紀末芸術』　紀伊国屋新書
現在はちくま学芸文庫で読めますが、「舞姫の褒美」（『サロメ』より）が表紙の旧版こそが決定版でしょう

なお、『大地と海の歌』のジャケット裏面は、なぜだかジョージ・フレデリック・ワッツの「希望」です

トレヴィルから刊行された『眠る女―スリーピング・ビューティー』の表紙として使われたので、ご存知の方も多いでしょう

次回は、8番と20番の人です、たぶん

コメント 2

モバサムさん、こんばんは。
国内リマスター盤（2009）の解説に参列者の名前が載っていますね。
コラージュではなく、等身大の看板を立てて撮影したのは驚きです。
日本の置物が「福助」ではなく「招き猫」だったら‥‥＾＾

山尾悠子さんの『ラピスラズリ』（国書刊行会 2003）の表紙にも
ワッツの「希望」が貼ってありました（Amazonの書影は外函です）。
筑摩文庫のカヴァ絵は何かしら？
（http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4480429018）
by sknys (2012-02-08 20:56) 

sknysさん、コメントありがとうございます。
『サージェント・ペパーズ』のカヴァーは、有名人をマネキンのように並べて撮った集合写真なんですよね。
私もそれを知った時には、わざわざそんな面倒なことしなくてもと驚きました。
でも、好きなものにとことんこだわりたいという気持ちもわかります。
『ラピスラズリ』ちくま文庫は、グザヴィエ・メルリの『秋』ですね。
初代ベルギー象徴派展（1982-1983）で目にしました。
陰気だなという印象でしたが、忘れられないのは不思議です。
by モバサム41 (2012-02-09 18:25)