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ピーコック・シンジケート・コレクション [ミュージック]




1年遅れの記事で恐縮です(笑)

1960年代から70年代の英米のロック/ポップスの名盤・珍作を独自のチョイスで推奨・紹介していく新シリーズ『Peacock Syndicate Collection』が発足!
その第1弾リリースは、60年代サイケデリック・ムーヴィーのサントラ名盤3タイトル!!

…ということで、CLINCK RECRDS(クリンク レコード)から、エレクトリック・フラッグの『白昼の幻想』、ザ・ストロベリー・アラームクロック、ザ・シーズほかの『嵐の青春』とともに、この作品が遂に配給されることになりました(輸入盤国内仕様)

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キャンディ オリジナル・サウンドトラック盤

ああ、また同じネタでしつこくやってるよ…と笑われるかもしれません
それに対して、うちのblogは「絶滅寸前希少品種の保護」が根本原則なんだから絶滅危惧種を頻繁に取りあげて何が悪い…と逆ギレするのは大人げないので、
今回は映画ネタではなく、純粋音楽ネタなんだから全くもってNo Problem…としれっとやり過ごすことにします
なので、解説文の引用も控え目に(笑)純粋音楽部分だけにしておきますね

■『キャンディ』 オリジナル・サウンドトラック盤について
 今回が初CD化となる、このサウンドトラック盤、いかにもなジャケットの雰囲気も手伝い、ここ日本でも15年ほど前の“渋谷系”や“サバービア”ブームの中、オリジナルLPが結構な値段で取引されていたのを思い出す。
 ちなみに米オリジナル盤は1968年12月に米ABCレーベルから発売されるや、興行的にはコケてしまった映画とは異なり、全米アルバム・チャートをジワジワと上昇、最終的には最高位第49位を記録するとともに、16週間にわたってトップ200にランク・インし続けた。アナログ・コレクターのために品番を書いておくとで、モノラル盤は存在しない。
 セールス的にそれなりの結果を出せた理由としては、やはり当時「ワイルドで行こう」(全米シングル・チャート最高位第2位)の大ヒットを放ち飛ぶ鳥を落とす勢いを見せていた米加混成、新進気鋭のサイケデリック・ハード・ロック・バンド、ステッペンウルフのナンバーが2曲収められていたことも大きかったであろう。ここでは、2枚目のシングル「マジック・カーペット・ライド」(全米チャート最高位第3位)、それに続く3枚目の「ロック・ミー」(全米チャート最高位第10位)が挿入歌として収録されている。前者はシングルとは異なり、いささか長尺なアルバム・ヴァージョン。
 さらにザ・バーズが、ラストの宇宙を描いたシーンで効果的に使われた主題歌「チャイルド・オブ・ジ・ユニヴァース」を手がけたことも話題を呼んだ。オリジナル・メンバーがロジャー・マッギンただ一人となってしまった“新生バーズ”によるレコーディングだが、通算7枚目のアルバム『バーズ博士とハイド氏』(1969年2月発表)に収められたものとは異なり、ここで聴かれるのは華美なストリングスなどを施してのサイケデリック・ポップ・ヴァージョンである。アメリカを代表する作曲家デイヴ・グルーシンとロジャー・マッギンが共同で書き上げたものであり、リード・ヴォーカルは『バーズ博士とハイド氏』全曲同様にマッギンによるダブルトラック。余談だが当初、主題歌を作るよう依頼されたマッギンは、脚本を読んだうえで、新ベーシスト、ジョン・ヨークとそのものずばりな「キャンディ」を書いたのだが、ヨークにまだ知名度のないことを理由に却下され、著名なグルーシンと組まされることになったのだという。なおマッギン=ヨークによる「キャンディ」は『バーズ博士とハイド氏』に収められている。
 残るインスト・ナンバーは、いずれもデイヴ・グルーシンが作曲しているが、これがまた出色な出来栄え。当時流行の様々な楽器(モーグ・シンセサイザー、ファズ、シタール、サウンド・エフェクト)を駆使することで、まさに当時の若者文化、風俗、世相を想起させる内容に仕上げられている。
 そういえば最後の最後になって思い出したのだが、ザ・バーズが1965年のファースト・アルバム『ミスター・タンブリンマン』でのラストでカヴァーした「また会いましょう」は、テリー・サザーンが脚本を書きピーター・セラーズが主演した映画『博士の異常な愛情』にヴェラ・リンの歌で収められていたっけ。しかも、これまたサザーン脚本によるニュー・シネマの最高峰『イージー・ライダー』の主題歌「イージー・ライダーのバラード」はマッギンの弾き語りときてる。さらには同映画でデニス・ホッパーとダブル主演をはったピーター・フォンダは、『バーズ博士とハイド氏』に続くザ・バーズのアルバム『イージー・ライダーのバラード』の裏ジャケットに、1965年夏にマッギンらザ・バーズのメンバー、そしてジョン・レノンをはじめとするビートルズらとLSDパーティを初めて催したときのエピソードを寄稿している。そのとき、LSDでストーンしたフォンダが発した「僕は死ぬってことがどんなことだか理解できたんだ」という言葉に着想を得てジョンは「シー・セッド・シー・セッド」(『リヴォルバー』収録)を書くんだけども、そのあたりのエピソードはドラッグ・ムーヴィー『白昼の幻想』にて。とまれ、こうして考えると、すべてが密接に絡み合っているかのようだ。
 やはり、ロックと映画との蜜月は1960年代に始まったと言えるだろう。
 まあ、そんな理屈は抜きにして、サントラ盤『キャンディ』、存分に楽しんでいただきたい。

今日の1曲は、もちろん主題歌のサイケデリック・ポップ・ヴァージョンです
Child of the Universe 「チャイルド・オブ・ジ・ユニヴァース」/ The Byrds
http://www.youtube.com/watch?v=_09p-XSuiY0

なお、Peacock Syndicate Collectionですが、
第2弾「幻のモッド・ビート・バンド編」アタック&ロッキン・ヴィカーズ
第3弾「R&Bビート・バンドの王者、アニマルズ編」傑作ライヴ盤2タイトル“ライヴ・アット・クラブ・ア・ゴー・ゴー”&“ウィズ・ソニー・ボーイ・ウィリアムソン”
第4弾「幻のロック・ミュージカル編」『ヘアー レイヴ・アップ(ロンドン シャフツベリー劇場での実況録音)』
第5弾「英国産スウィンギン・サウンドの真髄編」『ジョン・シュローダー・オーケストラ/スペース・エイジ・ソウル』
だそうです

今日のおまけ
CD収納部分の背後の写真がずれていて、
ちょっと不気味な三つ目のキャンディちゃんです
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今年の抱負は、「質より量」です


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コメント 2

sknys

モバサムさん、こんばんは。
昨年、某BOOK・OFFの100円棚で『キャンディ』(角川文庫 2007)
をゲット!
同じCDなのに「輸入盤国内仕様」になると、お高くなっちゃうのね。

先日、某ヤマダ電機で《Magical Mystery Tour》(EMI 2009)の
国内盤を買いました。
新品で500円ポッキリは安すぎじゃないかしら?

〈She Said She Said〉のエピソードは有名ですよね^^
by sknys (2013-01-25 22:20) 

モバサム41

sknysさん、コメントありがとうございます
以前の記事にも書きましたが、「キャンディ」には、
浪速書房版(1964年)
早川書房版(1965年)
角川文庫版(1970年)
富士見ロマン文庫版(1984年)
BOOK PLUS版(2003年)
フォトコミック版(2003年)
がありますので、完全制覇を目指しましょう
by モバサム41 (2013-02-04 02:38) 

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