From Outer Space

Greatest Hits From Outer Space
宇宙時代のヒッパレー (Hit Parade)
1950年代からの冷戦下の米ソの宇宙開発競争により、宇宙が人類にとって身近なものとなりSF（小説・映画）が大流行した50~70年代にかけての宇宙を舞台にしたSF映画音楽、ヒット曲、そして埋もれたままとなっている曲を収録した抱腹絶倒のコンピレーション。デヴィッド・ボウイ「スペース・オディティ」、バーズ「ミスター・スペースマン」、トルネードス「テルスター」などの今でも耳にすることが多い名曲から、カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ツァラトゥストラはかく語りき（2001年宇宙の旅）」、ヴェンチャーズ「トワイライト・ゾーン」、レナード・ニモイ「宇宙大作戦（スタートレック）のテーマ」、などの映画、TVの主題歌、そしてエラ・フィッツジェラルド「円盤の二人」、ライトニン・ホプキンス「ジョン・グレン大佐に捧げるハッピー・ブルース」、ボビー・ウーマック「みんな月に行っちまった」、ジーン・ヴィンセント「スペース・シップ・トゥ・マーズ」など、何でこの人がこんな曲を?という珍品から、ビリー・リー・ライリー「ロックン・ロールUFO」、ジミー・ハスケル「ロッキン人工衛星」、ディック・ハイマン「かぐや姫」ただただブームに乗っかかった泡沫ソングまでの王道から邪道の玉石混合の24曲を収録。

この手の企画物編集盤を出すのはたいてい英国エイス・レコードで、以前紹介した『丑三つ時だョ！全員集合～怪奇音楽（ヒュードロ・ロック）への誘い』 も同レコードがコンパイルしたものでした
で、「これもかなりのキワモノだな～」などととブツブツ文句を言いながらも、必ず購入してしまう自分がいます

５曲紹介します
１曲目
Lunar Rhapsody 「月光狂詩曲」/ Les Baxter Orchestra W. Samuel J. Hoffman (Theremin)

https://www.youtube.com/watch?v=WyvBkJNaypM
レス・バクスターはマーティン・デニーのカヴァーによりエキゾチックサウンドの代表曲となった「クワイエット・ヴィレッジ」の作曲家です
微妙なビブラートの音色は、世界初の電子楽器テルミンです（演奏はサミュエル・J・ホフマン）
1947年作品

２曲目
Maid Of The Moon 「かぐや姫」/ Dick Hyman & Mary Mayo

https://www.youtube.com/watch?v=5j461yrBbZc
こちらもとても繊細な作品で邦題にもぴったり
鍵盤奏者はディック・ハイマン、そして宇宙空間を漂うヴォーカルはメアリー・メイヨーです
1963年作品

３曲目
Visa To The Stars 「月へのパスポート」/ Jean-Jacques Perry and Gershon Kingsley
画像もYouTube音源もありません
仕方がないので、ジャン・ジャック・ペリーとガーション・キングスレイが72年にホット・バター名義で放った大ヒット曲「ポップコーン」を代わりに掲載しておきます
https://www.youtube.com/watch?v=2DAiZWzahDI
この曲を知らない人は洋楽ファンとは言えません（たぶん…）
リード楽器は電子楽器オンディオライン（デル・シャノンの「悲しき街角」でも使用されています）
テクノ・ミュージックの出発点（クラフトワーク以前）として近年再評価されているそうです
「月へのパスポート」は1966年作品

４曲目
Space Oddity 「スペース・オディティ」/ David Bowie

2013年にカナダの宇宙飛行士クリス・ハドフィールドが宇宙ステーションでこの曲を歌ったそうです
でも、その前に、お願いですから今も宇宙空間をたった一人で彷徨っているはずのメージャー・トムを見つけてあげてください
https://www.youtube.com/watch?v=D67kmFzSh_o
1969年作品

５曲目
Telstar 「テルスター」/ The Tornados

https://www.youtube.com/watch?v=WPDvsLSnUGc
これぞ宇宙ソングの決定版
イギリスのフィル・スペクターと呼ばれたプロデューサー、ジョー・ミークが手がけた、竜巻軍団トルネードスによる大傑作です
この曲でも電子楽器オンディオラインが効果的に使われています
ギターの音も不思議と郷愁に満ちていて、痺れます
1963年作品

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